固定電話は2026年に突然使えなくなるのか。結論から言うと、急に止まる話ではありません。ただし2026年は「料金」と「今後の備え」で差がつく年です。
特に加入電話(いわゆるメタル回線)は回線使用料の改定があり、INSネットや古い機器を使う事業者は将来の終了を逆算して動く必要があります。
本記事では、2026年に起きる変更点、注意すべき勧誘、残すか替えるかの判断基準をチェックリスト付きで解説します。

2026年に固定電話が急に使えなくなるわけではありません。まずは契約の種類と、料金の見直しがあるかを確認してください。
固定電話は2026年にどうなる?結論とポイント早見
2026年に「固定電話が廃止される」「使えなくなる」と不安になる人は多いですが、結論はシンプルです。固定電話そのものが急に止まるわけではありません。一方で、料金改定や、古い回線・機器の将来を見据えた判断が必要なタイミングになります。ここでは最初に全体像を短時間でつかみましょう。
2026年に固定電話は使えなくなる?結論は「急に止まらない」
2026年に固定電話が一斉に停止する予定はありません。2024年から段階的に進んだ電話網の切替後も、加入電話やINSネットの通話は引き続き利用できます。つまり、今の電話番号で通話するという日常は基本的に継続します。不安を煽るセールストークを見たら、まず「停止日が公式に出ているか」を確認するのが安全です。
2026年の大きな変化は「加入電話の回線使用料改定」
2026年の分かりやすい変化は、加入電話(加入電話・ライトプランを含む)の回線使用料です。2026年4月の利用分から改定が適用され、手続きは不要で自動的に反映されます。事務用と住宅用で増額幅が異なるため、請求書の契約名と種別を確認しておくと見通しが立ちます。毎月の固定費なので、見直しのきっかけになりやすいポイントです。
2024年のIP網移行後、使い方は何が変わったのか
多くの人にとって、IP網移行は「使い方が大きく変わる」ものではありません。電話番号や一般的な通話はそのまま継続し、特別な切替工事や電話機交換が不要と案内されています。一方で、通話料金の考え方が変わったり、一部の付帯サービスが終了したりと、気づきにくい変更が含まれます。過去の割引や選択中継系のサービスを使っていた人ほど、請求や明細の見え方が変わった可能性があります。
INSネット(ISDN)利用者は“2028年終了”を逆算して動く
企業や店舗でINSネットを使っている場合、2026年は「まだ使える」ではなく「終わりに向けて準備する」年です。INSネットは将来的にサービス提供終了が予定されており、終了時点で慌てないためには代替回線の選定、機器の対応確認、試験期間の確保が欠かせません。特にデータ通信に依存している場合、通話ができても業務が止まるリスクがあります。
「切替工事が必要」と言う勧誘は要注意

『今すぐ工事が必要』という勧誘は要注意です。FAXや警備など電話線につながる機器は、メーカーや保守会社の案内で対応可否を確かめましょう。
「この地域は切替工事が必要」「今すぐ光にしないと電話が止まる」といった勧誘は要注意です。固定電話の設備切替に便乗した営業が問題になっており、利用者側での手続きや自宅工事が不要という注意喚起も出ています。話を聞く前に、相手の会社名、連絡先、勧誘の根拠(公式告知)を確認し、不要ならはっきり断るのが基本です。
停電・災害時の強さは回線タイプで差が出る
固定電話を残す理由として多いのが「停電時でも使えるのでは」という安心感です。加入電話(メタル回線)は回線から給電される仕組みがあり、対応した電話機なら停電時も通話できる場合があります。一方、ひかり電話などは宅内機器の電源が必要なため、停電対策はUPSやモバイルの併用が現実的です。災害時の連絡手段は、1本に寄せず複線化が安心につながります。
2026年にやるべきことチェックリスト(家庭・店舗・会社)
最初にやることは「自分の固定電話が何の契約か」を知ることです。加入電話、加入電話・ライトプラン、INSネット、ひかり電話で、費用も注意点も変わります。次に、電話線につながる機器(FAX、決済端末、警備、エレベーター通報など)を洗い出し、メーカーや保守会社に動作条件を確認します。最後に、料金改定後の固定費と、乗り換え後のコスト・停電時の運用を比較し、納得できる形に整えるのが近道です。
2026年の“料金”と“契約”の変更点を整理
2026年の話題は「廃止」よりも「コストと運用」です。固定電話は契約形態が複数あり、同じ番号でも回線の種類で費用や運用が変わります。ここでは、請求額が変わりやすいポイントを先に押さえ、迷いを減らします。
加入電話の回線使用料は2026年4月利用分から改定
加入電話と加入電話・ライトプランは、2026年4月利用分から回線使用料が改定されます。ポイントは、利用者側の申し込みが不要で自動適用されること、そして増額が毎月の固定費に乗ることです。たとえば「住宅用か事務用か」で増額幅が異なるため、家庭と店舗では影響が変わります。固定費に敏感な事業者ほど、ここを機に光回線やモバイルとの比較を始めると判断が早くなります。
通話料金は全国一律へ(対象条件も確認)
IP網移行後、固定電話同士など一定条件の通話は、距離に依存しない全国一律の料金体系に変わっています。これまで県外通話が多かった家庭や、全国の取引先へ電話する事業者は、明細の印象が変わることがあります。逆に携帯電話宛の通話は別体系になるため、固定から携帯へ多く発信する運用なら、通話料を含めた全体最適で考えるのが現実的です。
ユニバーサルサービス料・電話リレーサービス料も合わせて見る
固定電話の請求は、基本料や通話料だけでなく、ユニバーサルサービス料や電話リレーサービス料が加算される場合があります。金額は大きくなくても、回線が複数あると合計が見えづらくなります。月額の比較をするなら「基本料+オプション+各種料+通話料」を同じ条件で揃えるのがコツです。比較表を作ると、何に払っているかが一気にクリアになります。
INSネット・古い機器があるなら2026年が分岐点
家庭では問題が起きにくい一方、店舗や会社は「電話以外の用途」で固定回線を使っていることがあります。2026年は、機器更改の予算化や、切替テストの時間を確保しやすい年でもあります。INSネットやモデム通信が残っているなら、ここで手を付けると事故が減ります。
ディジタル通信モード終了と“補完策”の考え方
INSネットは通話用途であれば継続利用できますが、データ通信の使い方には注意が必要です。過去にディジタル通信モードで端末通信をしていた場合、同じ前提で動き続けるとは限りません。補完策があっても、伝送遅延などの条件差で業務が不安定になることがあります。「通話はできるのにシステムが落ちる」を防ぐには、業務要件を整理し、代替回線で検証してから切り替えるのが安全です。
影響が出やすい機器(FAX・警備・POS・監視回線)を洗い出す
影響を受けやすいのは、電話線を「音声」ではなく「通信経路」として使っている機器です。代表例はFAX、警備会社の通報装置、古いPOSや決済端末、監視・計測機器、エレベーターの非常通報などです。まずは配線を辿って、どの機器がどの回線に接続されているか棚卸しします。そのうえで、機器メーカーや保守会社に「推奨回線」「動作保証」「設定変更の要否」を確認すると、必要な作業が具体化します。
移行の進め方:ベンダー確認→代替回線→試験→切替
移行の基本手順は、焦らず段階的に進めることです。最初に現状(回線種別、機器接続、利用目的)を1枚にまとめます。次に代替回線(光、モバイル、専用線、VPN等)を選び、実際の業務で試験します。問題が出るなら、機器側の設定変更や交換を含めて解決策を検討します。最後に切替日を決め、バックアップ手段(携帯、予備回線、転送など)も用意してから本番に入ると、業務停止のリスクを大きく下げられます。
固定電話を残す?光・モバイルへ替える?選び方
2026年は「残すか、替えるか」を決めるのにちょうどいい区切りです。正解は一つではなく、家族構成、通話の相手、停電対策、店舗の機器要件で変わります。ここでは選び方の軸を整理し、判断を早くします。
加入電話(メタル)を残すメリットと向く家庭
加入電話を残すメリットは、運用がシンプルで、停電時に強い可能性があることです。高齢の家族がいて操作を変えたくない、固定番号を長年使っている、災害時の連絡手段を確保したい、といった家庭では選択肢になります。一方で、毎月の固定費がかかり、今後は設備維持の観点から見直し圧力が強まる可能性があります。残すなら、費用を把握したうえで、バックアップとしてモバイルも併用する運用が現実的です。
ひかり電話・光回線電話に替えるメリットと注意点
光回線を使った電話は、インターネットとセットで運用しやすく、コスト最適化につながることがあります。番号を引き継げるケースもあり、店舗の代表番号を維持しながら切替できる可能性があります。ただし、停電時は宅内機器が止まると通話できなくなるため、UPSやモバイル転送などの対策が重要です。また、FAXや警備回線は相性が出る場合があるので、導入前に動作確認や推奨構成のチェックを行いましょう。
モバイル・クラウドPBXで“固定番号”を活かす選択肢
会社や店舗では、固定番号を維持しつつ運用を軽くする方法として、クラウドPBXやスマホ内線化があります。代表番号への着信をスマホで受けたり、営業時間外は自動音声にしたりと、業務に合わせて柔軟に設計できます。拠点が複数ある事業者や、リモートワークが混ざる組織ほどメリットが出やすい領域です。通話品質と録音・保留などの要件を整理し、必要な機能に絞って選ぶと失敗が減ります。
失敗しない移行とトラブル回避:よくある質問
最後に、よくある不安をQ&A形式でまとめます。ここを押さえるだけでも、不要な工事や不要な契約を避けやすくなります。家庭でも事業者でも、判断の前提を揃えることが大切です。
Q. 工事や手続きは必要?電話機や番号は変わる?
固定電話の設備切替に関して、一般的には利用者側の手続きや工事が不要と案内されています。電話番号や電話機も、基本的にそのまま使えるケースが多いです。ただし、宅内配線の状態や、回線種別の変更(加入電話から光へ乗り換え等)を行う場合は別途工事が発生します。まずは「今回の話が設備切替なのか、乗り換え提案なのか」を切り分けて考えましょう。
Q. FAXやナンバーディスプレイ、着信課金はどうなる?
FAXや各種オプションは、回線種別によって挙動が変わる場合があります。ナンバーディスプレイなどのオプションは継続できるケースが多い一方、古いFAXやモデム通信は相性問題が出ることがあります。店舗で着信用電話や古い契約形態を使っている場合は、提供終了済みのサービスに該当していないかも確認が必要です。不安なら、契約名と利用中オプションを控え、公式の案内や窓口で確認すると早いです。
Q. 不審な勧誘を受けたらどうする?相談先と断り方
「固定電話が使えなくなる」「今なら工事費無料」などの勧誘を受けたら、その場で契約せず、いったん電話を切るのが安全です。相手の会社名、担当名、折り返し先、勧誘内容をメモし、公式窓口で事実確認をします。不要なら「契約しません。今後の連絡も不要です」と明確に伝えましょう。困ったときは消費生活センター(188)へ相談すると、対応方針を一緒に整理できます。
まとめ
固定電話は2026年に急に止まるわけではありませんが、加入電話の回線使用料改定など「コスト面の変化」が現実に起きます。
加えて、INSネットや電話線接続の古い機器がある場合は、将来の提供終了を見据えて段階的な移行準備が欠かせません。
まずは請求書で回線種別を確認し、FAX・警備・決済端末などの接続機器を棚卸ししましょう。そのうえで、加入電話を残すか、光やモバイルへ切り替えるかを停電対策も含めて比較すると失敗しにくくなります。
2026年は「慌てて契約」ではなく「計画的に最適化」する年です。今日できる一歩として、契約内容の確認と機器ベンダーへの問い合わせから始めてください。
参考情報(事実確認に使った公式・公的情報)
・2026年4月利用分からの加入電話回線使用料改定(自動適用、住宅用+220円/月、事務用+330円/月)【公式・NTT東日本】
・固定電話(加入電話・INSネット)のIP網移行は地域ごとに切替を実施し完了、手続きや工事不要の案内【公式・NTT東日本】
・便乗勧誘への注意喚起(手続き不要、工事不要など)【国民生活センター】
・INSネットは2028年12月31日でサービス提供終了予定【NTT西日本の案内】